多岐亡羊とした三和の経営者像
三和HD代表取締役小山克己社長は或る機関紙のインタビューに次のように答えています。
「店舗に設置する植木一本の丈の長さでさえ人に任せず自分で決めることもある。ある時は植木屋に、ある時は設備屋に、ある時はスーパーのオヤジになる。色々な顔を持って現場を歩き、肌で感じ、実行する。」
現場、現実、現物主義は大事です。しかし、創業時なら兎も角も、50余年の歴史を持つ経営者のトップがいつまでも人に任せず自分で決めることに拘っていても人は育ちません。中間層を含め社長の顔を伺う指示待ちの社員ばかりになりかねません。
植木一本の丈を云々する前に、経営者は社員に社の方針を明確に示し、それに合った機能的な組織体系を確立する必要があります。売り上げを伸ばす事ばかり口にしていては他店に追い抜かれます。残念ながらこの度の店内転倒事件を例にとっても社内にリスク管理体制ができておらず、損保会社に丸投げして済まそうとしたわけです。三和の各店舗を調査しても来店者に対する安全配慮が同業他社と比較して明らかに劣っていました。植木の丈云々どころではない筈です。これが三和が「多摩の田舎スーパー」と言われる所以なのでしょう。
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