拙速だった「三和」の初期対応
週末、某所で事故被害支援団体の集まりがあり、本事件も話題になりました。
長年数々の事例を扱ってきた仲間の関心は事故直後の「三和」側の初期対応に集中、最も下手で拙い事例であると酷評されました。
事故直後に弁護士名で「三和に責任は無い」と文書送付するやり方は「溺れた犬を棒で叩く」ようなもので、最優先すべき「事態の沈静化」と真逆な行動であること。
新米弁護士のキャリアー不足から来るのか、旧態依然としたドグマ(教条主義)に囚われた法曹界の陥りやすいケースなのか、三和のリスク対応やマニュアルがそもそも存在しないのか、トップマネージメントにリスク管理の意識がなく従業員教育も何も成っていないのか、いずれにしても稚拙なやり方としか言いようがない、という評価に尽きました。
卑近な例として交通事故で人身事故が発生したとしましょう。
過失割合がどうあれ、最優先すべきは怪我をさせてしまった加害者はなるべく早く被害者を見舞い、取りあえず事態を沈静化させる事が、日頃、社会生活を送る一般市民の常識的感覚です。先に法律論を振りかざすやり方は感情対立を生むだけです。
では、今回の事件で三和はどうすべきだったでしょう。「先ずは怪我治療に専心してください。退院後、落ち着いたらお話合いをさせてください。」と言ってひとまず事態の沈静化を図り、時々見舞を兼ねて顔を出せば良いのです。事故直後に弁護士名で「三和に責任がない」とわざわざ伝えてくる必要など全く無いのです。
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